網入りガラスについて

網入りガラスについて

網入りガラスとは

切り出した網入りガラス

網入りガラスは防火設備として、窓や入り口の扉などでよく利用されているガラスです。

戸建てやマンション、アパートやビルや店舗以外にも幅広く使用されており、昔からよく見るおなじみの建築材料と言えるでしょう。

現在は網入りガラスに変わる快適さや安全性の高い新たな防火ガラスもございますので、ガラスが割れて修理交換が必要になったりリフォームなど新規取り付けの際には網入りガラス以外の防火ガラスを選ぶこともできます。

網入りガラスの種類と特徴

網入りガラスは磨(みがき)と霞(かすみ)の2種類があり、表面部分の特徴となります。

磨(みがき)は、ガラスが透明で表面がつるつるとしており、視界がクリアです。

霞(かすみ)は、ガラスの表面に細かな凹凸ができるように加工されており、視界を遮ることができます。

ガラスの中のワイヤーは、縦横の格子状、または斜めの菱形状に埋め込まれています。

中のワイヤーの配置は斜め配置のヒシワイヤタイプと、縦横配置のクロスワイヤタイプ、縦線のみのプロテックスタイプがございます。

ヒシワイヤ

斜めにワイヤーが配置されており、模様が菱形に見えます。

磨ヒシワイヤ

磨ヒシワイヤ

霞ヒシワイヤ

霞ヒシワイヤ

クロスワイヤ

ワイヤーは縦横に配置された格子状となっています。

磨クロスワイヤ

磨クロスワイヤ

霞クロスワイヤ

霞クロスワイヤ

プロテックス

網が交差しておらず縦線のみで、線入りガラスとも呼ばれます。防火設備には認定されていませんが、フロートガラスより安全性が高く防煙垂れ壁などに使用します。商業施設や工場、ビルの廊下などで目にすることが多い製品です。

磨プロテックス

磨プロテックス

霞プロテックス

霞プロテックス

網入りガラスのメリット

防火設備として使用できる

網入りガラスは遮炎性が高く損傷しにくい性質が特徴で、防火設備用ガラスとも呼ばれています。

防火地域や準防火地域において防火設備として利用することができます。

火災時に強い熱を受けてガラスが割れてしまっても、中のワイヤーによりガラスが支えられるため破片が飛び散らず穴が開きにくいという特徴があります。

そのため窓やドア部分のガラスを網入りガラスにすることで、炎の侵入や燃え広がりを防止し火災被害の拡大を食い止めることができます。

防火設備とは?
建物の窓やドアは火災時の延焼リスクが高い

防火設備は火災が起きた時に、炎の燃え広がりを防ぐための設備のことです。

住宅が密集した市街地やその周辺など建築基準法で定められた防火地域・準防火地域において、延焼広がりのリスクが高い窓や玄関など建物の開口部への設置が定められています。

網入りガラスは建築基準法の防火設備の技術的基準をクリアしており、建設省告示第1360号で防火設備として認められています。

割れても破片が飛散しない

網入りガラスのワイヤーはガラスが割れた際の割れ落ちを防ぐ効果があります。

強い衝撃を受けてガラスが割れても破片が飛散しないため、台風で飛来物が窓に衝突した、お子様が誤って窓を割ってしまったなどの場合でも二次被害を防止することができます。

交換や設置費用が比較的安価

防火設備としての窓ガラスは網入りガラスのほか、熱処理を施した耐熱強化ガラス、防火ガラスを使用したペアガラスがございます。

この3種類の中では、従来から使用されている網入りガラスが一番安価で交換することができます。

耐熱強化ガラスやペアガラスは防火効果以外にも安全性や省エネ性が高く、網が無いため視界がクリアですが、そのぶん交換費用が高額です。

網入りガラスのデメリット

自然破損の可能性がある

熱割れ・錆割れ

網入りガラスの修理や交換では、「知らない間にヒビが入っていた」、「気が付いたら割れていたため原因が不明で怖い」というご相談を受けることがあります。

これは網入りガラスでしばしば見られる自然破損現象で、「熱割れ」または「錆割れ」であることがほとんどです。

どちらも主な破損原因は経年劣化ですが、網入りガラスはワイヤーを封入している構造のため、通常の板ガラスに比べると自然破損が起きやすい性質なのです。

もし賃貸物件で熱割れまたは錆割れによって網入りガラスが割れた場合、修理費用は貸主負担となります。

自然破損の心配が無い防火ガラス

現在では熱割れや錆割れのリスクがない網無しの防火ガラスが各メーカーから発売されており、防火地域や準防火地域においての使用も可能となっています。

防犯性が低い

網入りガラスの中には金網が入っているため、一見すると防犯に適しているかと思いますが、実は防犯性はほとんど期待できません。

網はガラスの割れ落ちを防止する目的で封入されており、網自体に強度は無く簡単に切り取ることが出来るからです。

また、犯罪者などがガラスを攻撃した際にはワイヤーが破壊音を吸収してしまいます。

防火ガラスで防犯もしたいなら?

防火設備が必要な窓で防犯性も必要なら、防犯ガラス仕様の防火ガラスへの交換がおすすめです。

合わせガラスタイプやペアガラスタイプからお選びいただけます。

または、網入りガラスに防犯フィルムを貼ることでも防犯性が向上します。

防犯フィルムはガラス自体の交換より費用が安く抑えられますが、劣化しやすいため交換頻度は高くなります。

フィルムを貼る際は色付きだと熱割れの原因になるため、色の無い透明なタイプを貼ることをおすすめします。

視界が悪い

網入りガラスはワイヤーが入っているため、視界が遮られてしまいます。

普段網入りガラスを使用されている方はあまり気にならないかもしれませんが、網入りガラスからワイヤレスの透明ガラスに交換すると、驚くほど視界がクリアになり開放感が得られます。

交換するならワイヤレスの防火ガラスがおすすめです。

出張ガラスサービスtel