ガラス修理と保険について
割れ、ヒビ、欠けなど破損したガラスの修理は基本的に割れ替え交換となります。
ガラスの修理費用は製品代と工事費ほか運搬費用などが必要となり、サイズや厚さにもよりますが特殊な加工のないフロートガラスはもちろん、網入りガラスや防犯ガラス、ガラスを2枚使った複層ガラス(ペアガラス)などでは更に料金が高額となってしまうのです。
もし保険を使ってガラスを修理する場合、窓やドアなどの開口部では火災保険を、家具のガラスでは家財保険を使用することになります。
家財保険は火災保険に組み込まれているか、火災保険のオプションになります。
保険が適用となるかにはいくつか条件があり、注意しておきたい点は「ガラスの破損理由」と「免責金額」です。
もしガラスの破損理由が不明だったり、故意によるものであれば補償範囲外となります。
台風で飛んできた物がガラスにぶつかった、野鳥が衝突した、空き巣や泥棒やイタズラ被害ほか水害や雪害など、突発的で予測が出来ない事故である場合は補償範囲となります。
免責金額は保険が支払われる事故が起きた際に自己負担する金額です。
免責金額を5万円に設定していたとしましょう。
もしガラス修理の費用が5万円以下なら補償範囲外です。
もし費用が8万円なら、8万円から自己負担金額の5万円を差し引いた3万円が保険金として支払われます。
火災保険と家財保険の内容、保険金の支払い方式は保険会社によって異なりますので、ガラスの修理交換で保険を利用する際は資料または保険会社に直接ご確認ください。
網入りガラスの自然破損リスクと修理費用について
建物が密集している防火地域などでは、窓やドアといった開口部で防火設設備が必須となります。
防火目的に使えるガラスでは網入りガラスが有名で、火災時に炎の熱のせいでガラスが割れてしまった時に破片がワイヤーに引っ掛かって割れ落ちず、延焼広がりを防ぐ効果があるのです。
賃貸アパートや分譲マンション、会社のビルや商業施設ほか様々な場所で使用されている網入りガラスですが、自然破損が発生することがあります。
金属の網が腐食・膨張してガラスを圧迫することで起きる錆割れは、サッシ部分のゴムパッキン(グレージングチャンネル)が劣化してサッシ内に結露や雨水などが侵入することで発生します。
ガラスの中心部とサッシ部分で温度差が生じることで起きる錆割れは、ガラスの一部が暖房器具によって異常に熱せられたり、荷物やカーテンがガラスに近すぎて熱を持ったりすることで発生します。
錆割れと熱割れは通常の使い方においても発生する可能性があり、国土交通省のガイドラインに従うと、賃貸物件においては基本的に貸主が修理費用を負担することになります。
しかし、自然破損を認識しながら放置して亀裂が拡大してガラスが割れ落ちた等では、借主負担となるケースもあるようです。
自然破損かそうでないかを見分けるのは簡単で、錆割れや熱割れの場合はサッシ部分から2~3本程度のヒビが発生します。
何かがぶつかったり強い圧力がかかった場合、衝突部分を中心として放射状のヒビが無数に入ります。